久留米の工房から届ける受注生産という選択
家具づくりの現場でいま注目されているのが、小ロット多品種への対応力です。(有)ライジングは平成11年6月の創業以来、福岡県久留米市城島町内野で受注生産型の家具製造に取り組んできました。IT化された生産ラインを軸に据えることで、一点ものから少量ロットまでを同じ工程で柔軟に扱える仕組みを整えています。代表取締役の金子博光のもと、内野南集落センターから徒歩1分の立地に工房を構え、地域に根を下ろした製造業を続けてきました。
営業時間は8時から17時、定休日は土日祝という体制で稼働しており、平日中心の運営が地元の取引先との連携にも合っているようです。金融面では西日本シティ銀行との取引を通じて事業基盤を支えています。正直、20年以上にわたって同じ場所でものづくりを続けてきた工房だからこそ伝わる空気感が、訪れる人の印象に残るのだと感じました。
サイズも色も選べるセミオーダーという提案
既製品ではどうしても合わない、という声に応える形で展開しているのがセミオーダー対応です。寸法や色味を購入者側で調整できるため、リビングの間取りや手持ちのインテリアに合わせた家具がつくれます。IT化された生産設備があるからこそ、こうした個別仕様にも生産効率を落とさず対応できる流れを構築してきました。多様な暮らし方に合わせた家具づくりが、(有)ライジングの製造現場の日常になっています。
「既製品では諦めていた寸法に合う棚が手に入った」「色を選べたおかげで部屋全体がまとまった」といった声が利用者から寄せられているそうです。製品一つひとつに技術と気持ちを込めて仕上げる姿勢が、長く使い続けたいという評価につながっていると感じる人も多いようです。
大手家具流通との取引が物語る製造力
主要取引先には株式会社DINOS CORPORATION、株式会社千趣会、株式会社東京インテリア家具、株式会社ニトリホールディングスといった全国規模の家具流通企業が並びます。こうした大手と継続的な取引関係を維持していることは、生産管理と品質基準が業界水準を満たし続けてきた証でもあります。受注から納品までの工程を自社で組み立て、求められる仕様に確実に応える製造体制が評価されてきました。
久留米という地方都市から全国流通の家具を生み出している点は、個人的にも印象的でした。地域密着の工房でありながら、業界を代表する企業群と肩を並べる取引実績を積み重ねている存在は、福岡の家具製造業の中でも独自の位置にあるといえる工房です。
工房から発信する素材とデザインの考え方
新作の紹介や製作現場の様子、スタッフの想いを綴った記事を工房側から発信しています。家具選びに迷う人へ向けて、暮らしのアイデアやお知らせを届けることで、購入前の不安を和らげる工夫を続けています。素材感を活かしながらデザイン性を高めるという方針のもと、伝統的な木工技術と現代の生活スタイルに合う提案を組み合わせた家具づくりに取り組んでいます。
人と自然の調和を意識した製品づくりが、(有)ライジングの根底にある考え方です。スタッフそれぞれが製造に誇りを持ち、空間に馴染む家具を通じて日々の生活を支える役割を担っています。


