作り手・使い手・社会、三者の喜びを目指すものづくり
ただ美しいものを作るだけでは足りない——あん巣木工所のものづくりの根幹にあるのは、作り手・使い手・社会の三者に喜びをもたらすというコンセプトだ。心理的な快適さを求めた設計思想と、環境負荷の少ない材料をアップサイクルする取り組みが、この考え方を具体的な製作プロセスに落とし込んでいる。インテリア業界が環境問題と向き合う時代において、美しさと環境配慮を同じ文脈で追う姿勢は、この工房の個性を形成している。大阪府寝屋川市の工房を拠点に、店舗・オフィス・個人向けのオーダーに幅広く対応する。
「社会への配慮まで込めたものづくりに共感して依頼した」という声も届いており、製品の背景にある姿勢への評価が利用者の選択理由になっている場合も多い。こうした考え方が工房全体のスタイルに一貫しているのが、取材を通じて強く伝わってきた。
打ち合わせを重ねることで、イメージが形を持つ
インテリアディスプレイのフルオーダーでは、色・形・サイズ・テイスト・素材のすべての要素を丁寧な対話で確認しながら進める。最初から細部まで明確なビジョンを持つ方は少なく、「ざっくりとしたイメージ」から始まることを前提にした打ち合わせの場が製作の出発点になる。抽象的な言葉やニュアンスを具体的な形へと変換していく作業を重ね、お客様のイメージと完成物が相違ないかを確認する。オンライン相談にも対応しており、個人からの依頼も受け付けている。
「最初はうまく言語化できなかったイメージを、対話の中で引き出してもらえた」という感想が届いている。製作の流れや費用の目安はよくある質問ページに掲載されており、初めての依頼でも流れを把握しやすい入り口が用意されている。
家具職人の技術が、ディスプレイの精度を支える
もともとオーダーメイド家具の製作を専門としてきたあん巣木工所は、その技術的な基盤をディスプレイ制作に応用してきた。木材だけでなく、鉄・ガラス・テキスタイル・紙など多様な素材を職人が手作業で扱い、一点ずつ仕上げるスタイルを貫いている。素材ごとの特性を活かした異素材の組み合わせが、耐久性とデザイン性を兼ね備えた仕上がりを生む。細部まで妥協しない手仕事が、既製品では届かない精度の完成物につながっている。
正直、什器としての機能性とアートとしての存在感の両方を同じ職人が追いかけているというのは、なかなか特殊な立ち位置だと感じた。家具製作の正確さとディスプレイ制作の表現力が交差するからこそ出せる仕上がりがある。
商環境の什器から、オリジナル一点物まで
商業施設や店舗向けの什器製作では、展示物の魅力を引き立てる意匠と日々の業務を支える機能性を両立した設計を行っている。用途に合わせた設計を丁寧なヒアリングで形にし、効率的な活用ができる構成を仕上げていく。並行して展開するオリジナルディスプレイは、様々な感性を持つデザイナーたちが手がけたテイストの偏りない作品群で、空間の象徴となる独創的な一点物として提供されている。
「機能美を備えた什器が完成し、業務の流れが整理された」という声が届いており、実用面への評価も高い。工房は仁和寺バス停から徒歩約5分、工房前に駐車スペースあり。営業は8時30分〜18時、土・日・祝が定休で、電話(072-814-5591)とメールで相談を受け付けている。


