大量の紙を巻き取っても、崩れない土台
製紙工場では、原紙を巻き取るために芯となる紙管へ相当な重さがかかる。巻きつける紙の量が増えるほど、芯が変形しないだけの頑丈さが問われることになる。西日本紙管株式会社の製紙用紙管は、この過酷な条件を前提に、各種の機械を使って耐久性を考えた形へ仕上げられている。原紙の巻取りという止められない工程を、土台の側から静かに支えているわけだ。紙という素材でありながら重量物を受け止める役目を任される点に、この製品の奥行きがある。大量の紙を巻きつけても崩れない土台があることで、製紙の工程は途中で止まらずに回っていく。
この製紙用紙管づくりは、昭和33年に東洋パルプの呉工場へ紙管を納めたところから始まっている。長く製紙分野と付き合ってきたため、現場が何を嫌い、何を求めるのかが、そのまま作りに映し出されている。ほかで思うような仕上がりにならなかった企業が、形状の相談に訪れることもある。呉工場に熊本工場、八代工場を通じて、中国から九州にかけての製紙の現場を支えてきた蓄積がある。現場ごとの要望を一つずつ形に落としてきたことが、いまの作りの確かな厚みになっている。
強度と寸法を、用途ごとに作り分ける
工業用紙管に目を移すと、求められる性能の幅の広さが見えてくる。ホームセンターに並ぶセロハンテープやマスキングテープの芯のような軽いものから、数十キロから数百キロの荷に耐える特殊な紙管まで、同じ工場で扱っている。用途によって必要な強度や寸法が変わるため、各種のマシンを使い分けながら一本ずつ調整していく。負荷の大きさが極端に違う製品を作り分けられることが、この工場の製造力の裏づけになる。図面を挟んで用途を確かめるやり取りが、その作り分けの精度を下支えしている。
数をまとめて作る場面でも、仕上がりの品質を揃えることが欠かせない。西日本紙管株式会社は、大量の発注に対して品質のムラが出ないよう、管理体制を細部まで整えている。大きな負荷が加わる資材ほど、寸法のわずかな狂いが現場の負担につながるからだ。各種の設備をそろえているからこそ、軽い芯も重い荷を受ける管も同じ現場でまかなえる。
古紙を使うという、製造そのものの選択
環境への配慮は、掛け声ではなく製造工程の内側に組み込まれている。西日本紙管株式会社は古紙を活用した再生紙を積極的に取り入れ、資源の循環を意識したものづくりを続けてきた。丈夫さを保ちながら再生紙を使うという両立は、日々の作業の積み重ねから生まれたものだろう。素材の段階から環境に目を向ける構えは、持続可能な社会への貢献にも重なっている。取材していて、環境配慮を掲げるだけでなく素材選びの段階で実践している点が印象に残った。
工場があるのは、広島県呉市安浦町安登西6丁目2-8。JR呉線の安登駅からタクシーで約3分、徒歩なら約8分という距離にある。紙管の相談は電話0823-84-7171やメールで受け付けており、製品一覧のページで仕様や寸法を先に確かめることもできる。
日々の作業風景は、ブログでも定期的に発信されている。どんな工程を経て一本の紙管が形になるのか、普段はなかなか見えにくい製造の裏側を知ってもらう場になっている。長く続けてきたものづくりの積み重ねが、そうした発信の背景にもある。作り手の顔が見えることは、初めて発注を考える相手の不安を和らげる材料にもなる。


