単板貼集成材からオーダー家具まで、建材の総合製造拠点
天然木突板を表面に用いた単板貼集成材、ラッピング加工を自社完結で行う造作材、パインやタモなど複数樹種の内装用積層材、輸入芯材の加工・販売、そして店舗什器や特注家具——株式会社垣本ハウスが奈良県橿原市から供給する製品の種類は、内装木材のほぼ全域をカバーしている。受注生産が基本のため、同じ製品を繰り返すのではなく、現場の寸法・仕様に合わせたものを毎回作り上げる体制が整っている。大手ハウスメーカーの和室造作OEM生産を担いながら、保育園や小学校、商業施設のオーダー品も手掛けるという幅広さが、この会社の製造能力を示している。
「どんな現場でも一度相談してみると対応してもらえた」という声が取引先から出てくるのは、製品ラインの幅と加工技術の蓄積があるからだろう。NC加工機を活用した特殊形状への対応も可能で、複雑な仕様の依頼でも受け付けている。店舗什器の製造から取り付け・内装施工管理まで一括して引き受けられる点も、発注側の手間を大きく減らす要素になっている。
吉野材の製材所から集成材メーカーへ、70年を超える変遷
昭和23年の創業以来、吉野材の製材所として出発した株式会社垣本ハウスは、時代の変化に合わせて業態を変えながら現在の集成材製造メーカーへと至った。本社はJR和歌山線掖上駅から車で約5分の橿原市に置き、奈良県内で第二・第三工場を運営、東京都江戸川区にも営業所を構える。奈良県産ヒノキを活用した集成材の原料調達から製造・販売まで自社で管理し、安定した供給体制を維持してきた。
「長年付き合ってきたが、品質が安定している」という評価を取引先から受けることもあり、70年以上の事業継続が積み上げてきた信頼の厚さは確かにある。高品質の材料を適正価格と安定した納期で届けるという方針を変えずに設備増強を続けてきた姿勢が、リピーターの多さに反映されている。個人的には、創業から業態転換を経てもぶれない供給の一貫性こそ、この会社の核心だと見ている。
輸入芯材の直調達と内装材の多樹種対応で価格と品質を両立
造作用芯材の分野では、ブラジル産タエダパインとチリ産ラジアタパインを現地メーカー複数社から直輸入し、中間コストを省いた安価な提供を実現している。節がなく柔らかく軽量な素材特性が、窓枠・ドア枠・壁下地用途での扱いやすさとして現場に評価されてきた。内装用積層材では、パイン・タモ・ゴムなど樹種ごとの反りにくさや強度、寸法安定性の違いを踏まえた素材選定が、カウンターや階段、フローリングの品質を左右する。
「材料選びの段階から相談に応じてくれる」という声が取引先の間で目立つのは、製品を納めるだけでなく素材の特性を熟知した提案ができる技術の蓄積があるからだ。ラッピング造作材では原材料調達から仕上げまで自社内で工程を完結させており、品質と納期の管理を外部に依存しない体制が取引先の安心感につながっている。
年齢・国籍を超えた職場と、一から育てる教育体制
橿原市の工場には、年齢も国籍も異なるスタッフが在籍している。「何でも気軽に相談できる雰囲気がある」という言葉がスタッフからたびたび出てくるのは、アットホームな職場環境が採用方針として意図的に育まれてきた結果だ。未経験者でも扱いやすい機械の操作から始め、OJTを通じて現場のノウハウを積み上げていける研修体制があり、フォークリフトなど必要な資格の取得支援制度も整備されている。
受注生産のため毎回異なる仕様の製品に向き合う環境は、単調さとは無縁で、経験を重ねるほど対応できる案件が増えていく。「手に職をつけたくて入ったが、気づいたら色々なジャンルを作れるようになっていた」という声もあり、技術が自然に積み上がっていく現場の性質がうかがえる。正社員として腰を据えながら、世界市場を見据えた製品づくりに携われる環境は、長期的なキャリア形成を考える人材にとって一つの選択肢になり得る。


