石材ケアに特化した独自ブランドと40年の蓄積
ストーンマスター®やマイクロクリーナー®など、商標登録済みの製品ブランドを5つ展開している企業は、石材メンテナンス業界でもそう多くない。株式会社タックアンドカンパニーは東京都練馬区に本社を構え、石工事業の東京都知事許可免許や毒物劇物一般販売業免許といった公的資格を複数保有している。大使館や公共施設での施工実績が積み上がっており、40年という事業歴がそのまま品質の裏づけになっている。外国公館免税業者としての登録も取得済みで、海外の公的機関との取引にも対応した法令遵守の体制を敷いている。
2023年には石材メンテナンス研究所「ストーンマスター ラボ」を開設し、翌2024年に書籍「石とメンテナンス-改訂版-」を刊行した。個人的には、製品を売るだけでなく知識の体系化にここまでリソースを割いている姿勢が印象的だった。業界向けセミナーや出版物を通じた情報発信は、同社が単なるメーカーではなく研究機関的な側面も持っていることを示している。こうした取り組みに共感して取引を始めたという声も目立つ。
清掃現場の経験が製品設計に直結する開発プロセス
代表取締役の新井田康介氏は米国テンプル大学を卒業後、民間企業を経て2019年に同社の経営を引き継いだ。先代から続く現場主義の姿勢はそのまま受け継がれ、石材クリーニングの実務から得たフィードバックが製品開発の出発点になっている。石に特化した洗剤や研磨剤を自社で処方し、市場投入後も施工者の意見をもとに改良を重ねるサイクルが回っている。開発担当が清掃業の実務経験を持っているからこそ、現場で「あと少し足りない」と感じる性能差を埋める製品が生まれる。
たとえばビルやホテルのエントランスに使われる大理石の鏡面再生では、マイクロポリッシュ®による研磨工程とマイクロシーラー®によるコーティング工程を組み合わせて施工するケースが多い。工程ごとに最適化された製品カテゴリが用意されているため、石種や汚れの状態に応じて選ぶだけで一連の作業が完結する。高硬度コーティング対応の製品ラインも揃っており、床面だけでなく壁面の施工にも使われている。
購入前後を問わない相談窓口と講座運営
石材の種類や設置環境、汚れの性質によって最適な処理方法は大きく変わる。株式会社タックアンドカンパニーでは、購入前の段階から現場写真や石種の情報をもとにした施工相談を受け付けており、適切な製品の組み合わせと使い方を具体的に案内している。平日9時から18時まで本社での電話対応が稼働し、ウェブサイト上には質疑応答形式で寄せられた質問への回答も掲載されている。問い合わせのハードルが低いと感じる利用者も多いようだ。
新井田氏はクリーンシステム科学研究所が主催する「ストーンケアスペシャリスト講座」の講師も務めている。受講者は清掃会社やビルメンテナンス会社の実務担当者が中心で、座学と実技を組み合わせたカリキュラムが組まれている。講座で得た知識をそのまま自社の現場に持ち帰れるため、リピート受講する企業もあるという。製品販売と教育事業の両輪で業界全体の技術水準を引き上げようとする姿勢が見える。
全国配送とプロ・個人双方に開かれた販売チャネル
オンライン販売を軸にした全国配送体制により、地域を問わず製品を入手できる。メンテナンス業者や管理会社向けの専門販売に加え、「メンテナンスワールド」というプロ用メンテナンスアイテム専門ショップも運営しており、経験のない個人でも購入しやすい導線が整備されている。マイクログリップ®のような滑り止め処理剤は、自宅の玄関ポーチに使いたいという個人からの注文も入っている。
ポリッシャーやパッド類など施工に必要な道具も一括で取り扱っているため、資材調達の手間が省けるという声が利用者から寄せられている。石材ケアに必要なものをひとつの窓口でまとめて揃えられる仕組みは、特に初めて石材メンテナンスに取り組む事業者にとって負担を減らす構造になっている。新商品の情報も随時発信されており、リピーターが定期的にサイトをチェックしているケースも少なくない。


