技術を絶やさないという構え
モノづくりの技は、人から人へ手渡されなければ途絶えてしまう。(有)松岡製作所が掲げてきたのは、半世紀を超えて培った金属加工の技術を次の世代へ引き継ぐという姿勢だ。代表取締役の松岡淳一のもと、変化する市場の求めに応じながら、長く続く会社であろうと歩みを重ねている。草加市の工場では、その継承が採用と育成という形で日々進められている。
職人が体で覚えた勘は、手順書に書き起こしただけでは伝わりきらない。だからこそ、現場で一緒に手を動かす時間が要る。取材して個人的に印象深かったのは、目先の生産効率より技の受け渡しを重んじる重心の置き方だった。在籍の長い経験豊富なメンバーが後輩に付き、機械の癖や図面の読み方をその場で渡していく。
継いだ技で高精度の装置を生む
(有)松岡製作所が手がけるのは、食品や医薬品、日用品を包むための包装機械だ。注文ごとに仕様の異なる一品物の自動化装置を、ゼロから設計して組み上げる。素材の鉄やステンレスを工作機械で削り出し、マシニングセンターなどで細かな精度を与えていく。受け継がれてきた加工の技が、装置一台ごとの完成度を内側から支えている。
設計から金属の切削、部品の組み立て、動作の最終調整まで、(有)松岡製作所は全工程を社内でまかなっている。工程を外に出さない分、細部まで自社の目が行き届き、納めた後の手直しにも素早く動ける。人手不足に悩む現場向けに包装工程の自動化を担う設備は、暮らしと直結する分野だけに需要が細りにくい。
包装ラインの一部だけを自動化したい工場があれば、その工程に合わせて装置を新しく描き起こす。現場の広さや扱う商品によって最適な形は変わるため、既製品より専用設計のほうが収まりがよい。継承してきた技術は、こうした個別の要望に形を与える場面で力を発揮する。
腰を据えて働き、技を継ぐ人へ
(有)松岡製作所が採用するのは、金属を削る加工職人と、システムを組み上げる組立職人だ。どちらも正社員での募集で、未経験から一歩ずつマシニングセンターを扱えるところまで育てる道が用意されている。工場は草加市柳島町にあり、バス停から徒歩3分ほど、通勤の交通費は全額が支給される。
食品や医薬品の包装は生活から切り離せず、この分野の設備を求める声は途切れにくい。腰を据えて技術を積みたい人にとって、仕事の土台が安定している点は続けやすさにつながる。8時から17時の勤務で土日祝が休みの週休2日制のもと、金属加工という手に職を一からじっくり身につけられる職場だ。


