一つに絞らない、三本柱の事業構成
廣瀨工業が手がける事業は一つの領域に収まらない。建物の設備を支える管工事業を軸に据えつつ、鉄骨など構造物に関わる鋼構造物工事業、さらに建物の清掃業までを守備範囲に置いている。性格の異なる仕事を同じ会社に抱えているため、現場で生まれる複数の要望へ一社のなかで応えられる。神奈川県を拠点に、川崎市や横浜市の現場を中心としながら、東京・千葉・埼玉を含む一都三県まで対応の範囲を広げている。
三つの事業を並べて持つ会社は、そう多くない。設備の工事だけ、あるいは清掃だけを請け負う専門業者が一般的ななかで、廣瀨工業はそれらを横断して引き受ける立ち位置にある。取材していて、規模の大きくない会社がこれだけの領域をまたいでいる点が、個人的にはこの会社の面白さだと感じた。
設備の根幹をつくる管工事の仕事
事業の中心にあるのは配管工事だ。新築物件では、水やガスが通う配管を図面どおりに一から組み上げていく。既存の建物では、長く使われて傷んだ設備に手を入れ、また問題なく使える状態へ戻す。まったく性格の違う二種類の仕事を、川崎市や横浜市の現場で数多くこなしてきた。
配管は建物の表からは見えにくい部分だけに、施工の丁寧さがそのまま暮らしや仕事の使い勝手を左右する。目立たない場所を確実に仕上げる仕事が、建物全体の土台を静かに支えている。
鉄骨まわりから清掃まで広がる守備範囲
鋼構造物工事業では、建物の骨組みをつくる鉄骨など構造物に関わる工程に携わる。溶接の技術を伸ばしていけば、この領域で担える作業の幅は着実に増していく。配管とはまた違う筋肉を使う仕事であり、現場作業員として積める経験の種類も一段と多くなる。
工事に付随する作業も、現場を回すうえでは欠かせない。資材の運び込みや施工の補助、設備の据え付けまでを引き受け、そこに清掃業まで加わることで、建物ができあがる前後の局面に一社で関われる。神奈川の現場でいくつもの工程に触れられる環境が、廣瀨工業で働く人の技術の裾野を広げている。
若い会社が複数事業を持つ意味
設立は2019年1月、代表を廣瀨雄輔が務める。歴史はまだ長くないものの、管工事を柱にしながら関連する領域まで守備範囲を広げてきたのは、目の前の現場が求めるものへ素直に応えてきた結果でもある。一つの事業に閉じないぶん、季節や景気で仕事の波が生じても、別の領域で経験を積み続けられる。神奈川県を軸に一都三県まで動くこの会社が、複数の看板を掲げて日々の現場に立っている。


