「既製の機械では合わない」に応える
工場のある工程だけ、どうしても市販の機械では寸法や動きが合わない——そんな場面で頼りになるのが、一から図面を起こす機械メーカーです。大和製作所は1972年の創業以来、産業機械や省力化設備を完全オーダーメイドで設計・製造してきました。人の手で続けてきた作業を機械に置き換え、工場の生産効率を上げる装置を、現場の条件に合わせて組み立てます。市販品の組み合わせでは埋められない隙間を、設計の力で埋めていく仕事です。
完全オーダーメイドである以上、できあがる機械は依頼主ごとに姿が異なります。大和製作所は依頼主の工場を把握したうえで仕様を固めるため、現場にそのまま収まる装置へ仕立てられます。既製品では届かない部分にこそ、一から設計する価値が出てきます。
一台ごとに前提から描く設計
大和製作所の設計は、搬送する製品の形や重さ、ラインの速度といった前提を確かめるところから始まります。CADを使った製図に入る前に、現場で何に困っているのかを聞き取る工程が欠かせません。食品の搬送装置なら製品を傷めない動き、自動車関連の設備なら繰り返しに耐える精度と、分野ごとに重視する条件が変わります。だからこそ、同じ図面を二度使うことはほとんどありません。
取材して個人的に面白かったのは、設計者が「現場の話を聞く時間」を仕事の土台だと捉えていたことでした。図面の精度より先に、まず現場の事情を理解する姿勢が根づいています。
設計から据え付けまで、途切れない一本の流れ
図面を外部へ渡さず、加工も組立も据え付けも自社工場で担うのが大和製作所の体制です。設計した技術者が製造スタッフと直接やり取りするため、加工段階で課題が見つかってもすぐ顔を合わせて対策を練れます。工程の境目で情報が途切れないぶん、仕上がりまでの手戻りが少なく収まります。納めた機械が実際に動き出す瞬間まで、同じ設計者が追いかけられます。
たとえば図面の上では問題のない構造でも、実際に部品を組んでみて初めて干渉が見つかることがあります。そうした場合でも、設計者と製造担当が同じ工場にいれば、その日のうちに調整の方針を決められます。一貫体制の効きめは、こうした細かな場面で積み重なっていきます。
半世紀近い実績と、焼津からの対応力
創業からおよそ50年、大和製作所は自動車業界をはじめとする幅広い分野の顧客と付き合ってきました。拠点は静岡県焼津市田尻で、国道150号線が近くを通り、駅から車でおよそ10分という立地です。設計と製造は焼津で行いつつ、据え付けや調整のための国内外への出張にも対応します。代表を務める岡崎隆昭氏のもと、20代から60代までの技術者が同じ現場で手を動かしています。


